前回、「食育」という言葉を使いましたが、どんな意味なのでしょうか?
農林水産省のホームページでは、食育とは「生きる上での基本」で、知育・徳育・体育の基礎であり 、憲法でいう「健康で文化的な生活」の根本だとされています。どうです、すごいでしょう?
この言葉を提唱した石塚左玄さんは、子どもに与える食品によって、子どもの心身を養うことを食育と考えておられました。学校の給食の献立作りに栄養士が参加するようになったのも、この考え方から来ています。
現在は「大人の食育」というような使われ方もしていますが、本来は食べることに関係するすべての分野で、子どもたちをよりよく育てていこうということです。
もちろん、栄養学的な内容もありますが、現在は昔のように栄養が不足して困っているということはあまりありません。現在の食育では、ファーストフードや、個食/孤食などが大きな問題になってきています。さらには子どもの貧困、虐待も食育の大きな課題になっています。
現在の食育を考える時に必要なのは、子どもたちに「食体験」を得てもらうことです。料理の仕方、栄養についての意識を持ってもらうことはもちろんですが、食事を作るのを見ること、配膳の手伝いをすること、後片付けをしてもらうこともとても大事なのです。