「あなたの特別な街はどこですか?」というお題を見て、わたしの頭の中に広がったのは、大きな川が街を横切っている仙台でした。
わたしは大学進学で東北で1番大きい仙台に住むことになったのですが、長い歴史がそのままに残っている盛岡に比べて、仙台は歴史よりも新しさを感じさせる街でした。
大きなビルの並ぶ市街地にも緑が多く、ケヤキ並木のある大通りや広瀬川の広い河原などがすぐ隣で息づいていました。
大学に進学して、初めての一人住まいをすることになったのですが、初めのころはホームシックになり、体調を崩すこともしばしばありました。
それが大学のサークルに所属するようになってから、いろいろな考え方の人と出会い、高校生までは思いもしなかった自由が目の前にあることに気づきました。
ここでは24時間、自分のやりたいことを好きなだけすることができるのです。友だちのうちに行って、朝まで恋愛の話をしたり、好きな映画やドラマについて議論したり、知らない音楽を聴かせてもらったり、どんどん自分の世界が広がっていくのがわかりました。
本当に仲のよい友達を得ることができたし、大勢の友人とお子様ランチを食べる企画をしたり(いろいろ調べたのですが、残念ながらお子様以外はお断りでした)、映画に行ったり、まるで夢の中にいるような日々を送りました。
もちろん恋愛沙汰もありましたが、それもすべてわたしの中では仙台という街の中にあって、いまだにわたしの中でひとつの透明な世界を形作っています。
いやなこともあったし、蹴りたい背中もありますが、ぜんぶひっくるめて仙台はわたしにとって特別な街です。
仙台に住めてよかった。それがわたしの素直な気持ちです。
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