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楽しい毎日と、あとちょっと食のお話

ろびんのお部屋です。管理栄養士なので、栄養関係の話を中心にして、仕事の話、家族の話、読んだ本の感想を書いていきます。

子どもをかわいいと思えるまで ~前編

秋も深まりかなり冷え込んできました。

どんどんこれから冬に向かっていくと思うと、昼間の日差しがとても貴重に思えてくる今日この頃です。

 

わたしは子どもクッキングの講師を月に1回やっていますが、来てくれる子どもたちが本当にかわいくてたまりません。

もちろん調理は危険と隣り合わせなので、教室ではきびしい先生です。やんちゃな子もいれば騒ぎまくる子もいるし、時には阿鼻叫喚のるつぼと化すこともあります。特にこねたり、まるめたり、乱切りにしたりするときには。

それでもこちらが真剣に対応すれば、みんなまじめに取り組んでくれます。子どもたちがそれまでできなかったことができるようになるのが、自分のことのように感じられます。

そんなに子どもたちが大好きなわたしですが、自分の子どもを産むときはとてもとても不安でした。子どもが好きではない、いや、正直に言えばむしろ嫌いだったんです。

 

だって、子どもって怖いじゃないですか。

何を考えているのか分からない。

自分の言葉や行為で傷つけるのが怖い。

そもそも自分がちっとも大人でないのに、それが子どもを産んで育てるなんて想像もできませんでした。

主人は子どもが大好きで、子どもの方もなぜかなつくという人間でして、子どもはぜひ欲しいと言っていました。

そんな時に、社宅の庭に野良の子猫がいて、とてもかわいかったんですが、飼うのは無理と思っていました。

そうしたら主人が「自分以外の生き物を育てるのはあなたにとってプラスになるよ。子どもを持つのが怖いんだったら、猫を飼ってみればいろいろわかると思うよ」といってくれたので、子猫を迎え入れました。

猫を飼うのは昔からのわたしの夢だったのですが、なんとなくそんな日は来ないと理由もなく思い込んでいました。

実際に猫を飼い始めて、わたしのいろいろな思い込みがなくなったり、軽くなったりしていきました。家の中に自分と主人以外の自分だけの意思を持った生き物がいるということがどういうことなのかを知ることで、怖がっていた見えない何かはどんどん小さくなっていきました。 

そして結婚して5年目に(猫が家族に加わって1年目に)初めての子どもを授かりました。

産婦人科で超音波診断の豆粒ほどの胎児の画像を見て、ぴくぴく動いているのを見て、

「こんなに小さいのに、生きているんだ!」

と感動しました。帰り道もずっとそのことを考えていて、主人にも怒涛のように話をしたら、うんうんと頷いてくれました。

 

それからどんどん変化していく自分の身体に驚きながらも、比較的安産で無事出産を済ませました。

しかし、それからがまさに嵐のような日々がの始まりでした。

里帰り出産で、出産直後は食べて寝るだけの生活でよかったのですが(母が食事洗濯をすべてしてくれたので)、それでも2時間置きの授乳とランダムにく来るおむつ代え作業に、慢性的な睡眠不足になりました。

ぼーとして、お乳を飲ませたあとに赤ちゃんを布団に寝かせたつもりが、ふと我に返ると赤ちゃんがいない!

いや、正確には赤ん坊の顔があるべきところに顔がなかったのです。

「あたま、あたまはどこ?!」

パニックになりかけたとき、赤ん坊を上下逆さに置いたことに気がつきました。

危ない危ない…

 

子どもの世話をするって、死なないようにするだけで精一杯です。

すごく大切で、守ってあげなければという気持ちはあったんですが、とても子どもをかわいいと思う余裕はありませんでした。

唯一無二のものにかしづいて、何かあったら自分の命を犠牲にして守るのは当たり前の忠実な家臣のようなつもりだったような気がします。

長くなりすぎたので、子どもがかわいく思えるようになった話は、日を改めてさせていただきます。