今日は風が強いけれど、温かい一日でした。
きょうはツイッターで見かけたツイートに関して考えたことです。
うーん、たくさん叫んできた気がします https://t.co/mgQ52YK5vL
— あと・ろびん (@foo3kkb) 2020年1月9日
「いっけぇぇぇぇえええ!!」と叫ぶ?
主人が、「このツイート、どう思う?」と聞いてきました。
「ううん、普通に叫ぶことある気がする」
「だよねえ。オートバイでコーナリングする時とか、バトミントンする時とか」
「叫んだことも聞いたこともないんなら、それはけっこう不幸な人生な気がする」
「何かを思い切り楽しんでいれば、叫ぶことはあるね」
「自転車で坂を一気に降りる時とか、上る時とか」
「手の平に置いたてんとう虫が指先を目指して上っていくとき」
「そ、それは微妙だな」
以前はわたしも楽しむのは苦手でしたが、主人がこういうのがめっぽう得意で、いやなことも 面倒なこともすべて楽しむ方向に持っていってしまいます。
「これだけの資料を今週中に作れだと… どうやら私の能力を30%出すときが来たようだな」
「いきなり上海出張だと? ふむ、うまい小籠包とふかひれを味わうことになりそうだな」
「アジア会議で発表だと? つかみを三つくらい用意しておくぜ。滑った場合の予備も必要か?」
かなり大変だと思えるタスクを前向きにとらえ、綿密に事前準備をすることで不安をなくすのを見ていると、結婚〇十年経っても「あ、好き…♡」となってしまうのは否めません。本当に仕事の愚痴を言わないんですよ。
そのおかげで、わたしも物事を楽しむスキルがずいぶん上がり、仕事も日常も、前向きにとらえるだけで、とても取り組みやすくなることを知りました。
日常の中で、ほんの些細なことでも、真剣になっていればわくわくドキドキする気持ちは起こってきます。
体育でもゲームでもいいのです。石切りやブランコでも感じられます。部活だったらしょっちゅうだろうし、体育祭とかでもいいんです。もちろん、仕事の上でもこういう機会はたくさんあります。職場によっては、声を出すのが難しいところはあると思いますが。
物事を真剣に楽しもうとすれば、自分の努力と偶然のはからいがかみ合う瞬間を感じて、とんでもなくハイな気分になることはあります。
もし「いっけええええ」と叫んだことがないとすれば、下のような原因があるように思われます。
- 自分のやっていることに対して、真剣に取り組んでいない
- 他人が本気でやっていることを見る機会がない
- 身体を動かして楽しむことができない
- 楽しみ方を知らない
- むしろ、楽しむことに罪悪感を持っている
保育士さんのハイスキル
わくわくドキドキというと、以前幼稚園で給食を作っていた当時のことを思い出します。
夏休み、年長さんのお泊り保育があり、給食のカレー作りを園児たちが体験するイベントをやりました。
こちらが手をそえて園児に包丁を握らせて、じゃがいもとかにんじんを切ってもらいました。
その後いつものように調理して仕上げたカレーの大鍋を、教室に運んでいったときのこと。
「あれー? これは何かなあ?」と先生
わらわらと集まってくる子ども達。
鍋の蓋を少しずらして
「あ、なんかいい匂いがする」
「何かなー? なにかなー」
と散々じらしたあげく、「3、2、1あけるよー! わあ、みんなで作ったカレーだあ!」
「わー!!!」
教室中大歓声です。
幼稚園の先生、すごい!
お鍋を開けるだけでも子どもたちの気持ちをこれだけ盛り上げることができるんですね。とても勉強になりました。
この時、うれしい時に大声で叫んでもいいんだということを知った子どもたちは、これからもずっとうれしい気持ちをダイレクトに出すことができるようになるでしょう。
たとえ大人になるまでに嫌なことがたくさんあって、物事を楽しむ感覚を忘れてしまっても、ほんのささいなきっかけで、また心を開放することができるようになれます。
これはずいぶんとお得だと思います。
子どもクッキングにて
今は、子どもクッキングでも、少しでもたくさん達成できたこと、楽しんだことが子ども達の記憶に残るように、いろいろ盛り上げ方を工夫して織り込んでいます。
とても難しいし、料理以外にもたくさん手間はかかっていますが、わたしはこのために子どもクッキングを続けさせてもらっているので、ここは外せません。
クリームを泡立てる時、オーブンに入れた料理が仕上がるのを待つとき、「ようし、い感じ!」と声をあげます。子どもたちも一緒に「うまくいった?」と覗き込みます。
これでこの子たちは、何かを達成して喜ぶことを知りました。これはうちの子供クッキングの必修科目の一つです。
心から楽しむことを知って人は変わる
以前に、「この子は人と話すのが苦手で、学校にも行けなくなって」という子に参加してもらったことがあります。
その子に料理を楽しむという体験をしてもらうために、毎回距離感や任せ方など、主人に対するより真剣にいろいろなアプローチ方法を考えて参加してもらいました。
最初はなかなか手を出してくれなかったのが、調理に手を出してくれた時には、まさに「いっけぇぇぇぇえええ」と叫んでいました。心の中でですけど。
何回目かにその子のおばあちゃんが来たのですが、家でもしゃべるようになり、学校にも行けるようになったとものすごく感謝されてしまい、ちょっと涙が出そうになってしまいました。たかが料理、されど料理です。子どもクッキングをやっていて本当によかったと感じた瞬間でした。
その子はすぐに低学年の子たちをサポートしてくれるようになり、卒業になるまでずっと参加してくれました。
子どもは正しいきっかけさえあれば、簡単によい方向に変わってくれるのです。
子どもって本当にすごい!
料理すること自体がわくわくドキドキする体験ですので、これからも調理を通じて、子ども達に向けてうれしいシグナルや楽しいシグナルをたくさん発信していこうと思っています。
お話と全く関係ないんですが、タイトルの元ネタです。けっこう好きな小説です。
好きな小説の紹介もしていきたいな…