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楽しい毎日と、あとちょっと食のお話

ろびんのお部屋です。管理栄養士なので、栄養関係の話を中心にして、仕事の話、家族の話、読んだ本の感想を書いていきます。

新幹線の中でのプロポーズ いや、私あなたを知りません

今週のお題「激レア体験」

激レア体験と言われて、パッと思い出したことがあります。

あれはわたしがうら若きうぶな女子大生だった時でした。

 

わたしは岩手は盛岡の生まれで、大学進学のため家を出て、仙台で4年間を過ごしました。真面目でいい子だったので、夏休みや冬休みの長期休みには必ず新幹線を使って帰省していました。

当時は仙台→盛岡間は2時間くらいだったでしょうか。

着替えや本を詰め込んだ大荷物を持って新幹線に乗り込んで、あとはずっと読書に没頭するのが常でした。

ただ一人旅なので、隣の席には毎回知らない方が座られます。

 

夏休みに帰省したときのことです。

背が高くてがっしりとした体つきの男の方が「こちら、隣空いていますか」と聞いてきました。

もちろん空いているので、どうぞと答えたら、礼を言って隣に座られました。

わたしより、ちょっとだけ年上くらいに見えました。

「大学生さんですか」

「はい」

「ご実家に帰られる感じですか?」

「ええ」

「僕は盛岡なんですよ。ご実家はどこですか?」

「私も盛岡です」

「私は仙台自衛隊勤務です。やっぱり夏休みで帰省です」

わたしが一言返事をするのに対して、次から次へと話しかけてこられます。ううむ、読書ができない。ちょっと困ったな…

「ご兄弟はいますか? 僕は長男なんです」

「はあ」

話の流れが不穏な感じです。でも新幹線の窓際の席にいる私には、ある意味逃げ場がありません。

「あの、結婚を前提としてお付き合いしていただけないでしょうか。ぜひ地元の方と結婚したいんです」

これにはさすがに驚きました。

ええー…

初めて会って、まだ数十分です。

何ていう不意打ちでしょう。

新幹線見合いなんて聞いたこともありません。

ナンパ? ナンパなの? それにしては重くない?

停止していた私の脳みそが、ようやくゆっくりと回り始めました。

 

これはきっぱり断らないといけません。

「わたしにはおつき合いしている人がいますので」

ほんとです。その頃には主人とお付き合いしていました。

「そうですか… 残念だなあ…」

あきらめてもらえたようです。

暴れ出すような人でなくて良かった。本当によかった。

それから盛岡につくまでの時間はとても長かったです。

 

自衛官の方は結婚相手を見つけるのがけっこう大変だとあとで聞きました。

それでぽわんとした私がよさそうに思えたのでしょうか。

ナンパされたことはありますが、突然結婚を申し込まれたのは初めての体験でした。