「仕事と子育て」というお題ですが、思い出がたくさんあり過ぎて逆に困ってしまいます。
主人の「子どもが小さいうちはそばにいてあげてほしい。その間はこちらが稼ぐから。子どもがある程度大きくなったら、仕事に出ていいよ。その時はまた支えるから」という言葉に甘えて、10年間専業主婦として過ごしました。
そうして下の子が幼稚園に入るタイミングで、仕事を始めました。
10年ぶりの外の世界は眩しかったです。
喫茶店に入ってゆっくりコーヒーを飲んだり、職場のひとと一緒に外食したりと、すべてのことが新鮮に感じられました。
仕事を始めると一番困るのは、子どもが体調を崩したときです。
風邪を引いた、熱を出したとなると、仕事より子どもの方を優先させてきました。
そのせいで職場にはご迷惑を掛けたことも多々ありますが、「仕事はクビになってもまた次があるけど、子どものことは取り返しがつかない」といつも思いながら、過ごしていました。
子ども達も、抱っこしていたのが自分の足で歩くようになり、手をしっかり繋いでいたのがどんどんひとりで出かけるようになっていきました。
あるとき主人とふたりで電車に乗っていて、電車の扉が開いて降りる時に子どもの手を引こうとして手が泳いでしまったことがありました。
もう手を引いて導いたり、守ってあげる存在の小さな子どもはいないのに。
主人もすぐ、何が起こったのか分かったようでふたりで顔を見合わせました。
先輩お母さんから「子育ては大変だけど、アッという間よ。今を楽しんで」
とよく言われましたが、子育て真っ最中はそんな余裕はありません。
でも、子ども達がどんどん大きくなって、小学校、中学校、高校とやってきたPTAの役員仕事もすべて終わった時、その言葉がとてもよく理解できました。
仕事と子育てをされているすべての方に、わたしも
「今を楽しんで!子どもは親のことをよく見ているから、親が一生懸命仕事していることもしっかり分かってくれているから」
と伝えたいです。