4月も半ば近くになってきました。
昼間窓を開けても寒くない日が続いています。
このまま夏になっていくのでしょうか。
最近読了した小説をご紹介します。
「下鴨アンティーク」白川紺子 全8巻です。
京都の下鴨にある洋館に住む高校生の野々宮鹿乃、その兄の良鷹、良鷹の友人で同居人の慧(けい)の3人が中心人物です。
元華族で、陰陽師、お祓い屋の血筋でもある野々宮家にはいわくつきの着物や帯、小物などを収めた蔵があり、その蔵の管理を引き継いだ鹿乃が周囲の協力を得ながら、その品物たちを本来の姿に戻していく…というのがお話の骨子です。
品物ひとつごとの短編集になっており、謎解きをしながら推理小説を読むように楽しめる作りになっています。
着物好きな鹿乃が毎回着る着物の描写とか、共同生活をしている3人が作る普通の食事シーンがとても好きです。
あやかしたちの話と、登場人物たちが冷しゃぶやそうめんや、ピーマンの肉詰、厚揚げの煮物などを自分たちで作って食べている日常がさらっと描かれています。
その描写を読んでいくと登場人物たちがとても身近に感じられて、自然に感情移入してしまうのです。
番外編を含め8冊を怒涛のように読み進めながら、わたしは一番お兄ちゃんの良鷹さんに感情移入してしまいました。
もうなにがどうあれ良鷹さんは絶対幸せになってほしい!
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重いテーマもたくさん扱っていますが、口当たりよくサクサク読める短編集です。
この作者さんのまだ未完の「後宮の烏」の続きもとても楽しみです。