今週のお題「試験の思い出」
お題の試験に乗っかって、「管理栄養士」の資格試験について、おはなしします。
わたしは現在、子どもクッキングの講師を「管理栄養士」という肩書でやっています。
以前受講生の小学生から
「先生みたいな栄養士って、どうすればなれるの?」
と質問されたことがあります。
その時は
「栄養士の資格が取れる大学に行って、国家試験を受ければ管理栄養士になれるよ」
と答えたのですが、この場でもう少し詳しく説明してみようと思います。
管理栄養士とは?栄養士との違いは?
栄養士法では「栄養士とは、都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者」とあります。
これに対して管理栄養士は「厚生大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて…※高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導を行う…」(省略)と定められています。
栄養士の資格を持っていないと管理栄養士にはなれません。
栄養士は都道府県の知事が免許証を発行します。
管理栄養士は厚生大臣が(国が)免許証を出します。
つまり免許を発行するところが違うわけです。
国が発行する管理栄養士の資格は、国家資格になります。
わたしは管理栄養士の資格を持っているので、この2枚の免許証を持っています。
栄養士と管理栄養士の仕事内容の違いは、栄養士法にある、管理栄養士の「高度の専門知識及び技術を要する」という部分がポイントになります。
栄養士は主に健康な方を対象にして栄養指導や給食管理をするに対して、管理栄養士は病気を患っている方や高齢で食事がとりずらくなっている方、などにも一人ひとりに合わせて栄養指導・給食管理・栄養管理をしなければいけません。
管理栄養士になるには
栄養士になるには、高校卒業後、栄養士養成課程のある大学・短期大学・専門学校に入学して、資格をとることができます。
これに対して管理栄養士は、
①管理栄養士過程のある大学に入学して卒業後に国家試験を受けて資格をとる
②栄養士の資格を取ったあと、施設において「3年以上栄養の指導に従事した者」が国家試験を受けて資格を取る
という2つのルートがあります。
管理栄養士の国家試験
国家試験は1年に一度で、令和5年度は2月26日が試験日です。
試験資格として、前に①②があると書きましたが、大学を出てすぐに試験を受けた方がかなり有利です。
社会に出てからだと、学校で習った知識もどんどん古くなりますし、働きながら勉強時間を確保するのは難しいからです。
実際、大学を新卒で受験した方の合格率が90%近くなのに対して、栄養士から働きながら受験した方の合格率は60%ぐらいになっています。
わたし自身、管理栄養士の資格を持っていて、就職の際にとても役に立ちました。
管理栄養士の活躍できる場所というのは、わたしが経験しただけでも、社員食堂の栄養士、病院栄養士、ネットでの栄養指導、企業へのレシピ提案、幼稚園の給食、料理講習会の講師など多岐に渡っています。
自分の得意な分野で活躍するためにも、管理栄養士の資格を持っていると、活動の場が広がると思います。
子どもクッキングの卒業生で、パティシエになった女の子がいました。
(子どもクッキングの講師を一緒にやっていた方が、ケーキ屋さんでその子に出会ったそうです)
子どもクッキングの卒業生から栄養士になってくれる子がいたら、こんなにうれしいことはありません。