給食というお題に飛びついてしまいました。
小学校5年6年と給食委員を務め、何だかんだで選んだ職業が管理栄養士というわたくしです。
幼稚園の給食を3年間作っていたこともあります。
懐かしい給食メニューといえば、過去にも書きましたが
今回は逆に、その不味さで記憶に残っているメニューについて書かせていただきます。
納豆サンド
わたしは岩手の自校給食の小学校に通っていたのですが、そこの給食に定期的に出てくるメニューがありました。
それが「納豆サンド」です。
あるときは食パンに、あるときはコッペパンに、薄くマーガリンが塗られて、ひきわり納豆が挟まれたサンドイッチです。
納豆は嫌いじゃないんです。
でもぱさぱさになったひきわり納豆とマーガリンの相性は最悪でした。
いまでもあの味は忘れられません…
わたしだけではなく、ほかの子たちにも人気がなく、いつも大量に残されていました。
今にして思えばそんな不人気でも、栄養士さんが頻繁にメニューに入れていた訳が分かります。
学校栄養士は文部科学大臣が決めた「学校給食摂取基準」に従って、何をどれだけ食べれかいいか、その施設に応じた「食糧構成表」を作ります。
もちろん、給食費についても考えなければいけません。
あーでもない、こーでもないとあっちを削り、こっちをプラスして、豆類を何グラム、魚類を何グラムと詰めていきます。
エネルギー、たんぱく質、脂質の3大栄養素はもちろんですが、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、ビタミンA、B1、B2、C、食物繊維などの微量栄養素の必要量を満たすのはとても苦労します。
大豆の発酵食品である納豆は、上記の太字部分の栄養素が豊富です。
さらに骨の形成作用に必要なビタミンK2も多く含んでいるので、子どもたちにはぜひ食べてほしい食品です。
さらに価格も安い!
これはなんとか給食に入れたいですよね。
まあ、和食なら普通に納豆パックをつければいいのですが、パンのときはどうする…?
ということで、「納豆サンド」が誕生したことは想像に難くないです。
あとは味の問題ですね。
納豆だけではなく、刻んだきゅうりの漬物を混ぜてみるとか(ピクルス風に)、もう少し工夫する余地はあったかも、と今ならいろいろ考えてしまいます。
それでも、人気はなかったかもしれませんが。