先日、生協の小冊子の質問コーナーで
「カマンベールチーズの外側の白いところは食べられますか?」
という組合員さんからの質問が掲載されていました。
カマンベールチーズのカビは食べられるのか?
もちろん、答えは「食べられる」です。
「身体に影響はありません、安心して食べてください。
カマンベールチーズには白カビが使われていて<リンド>という白い膜ができます。
この白い部分がチーズの風味を作ってくれます…」
こんな回答だったと思います。
「リンド」というのは表皮という意味です。
チーズに白カビを付けることで、チーズの中のたんぱく質を分解して、チーズの熟成を進めたり、まろやかな風味を作ってくれます。
同じチーズでいうと青カビを生やしたブルーチーズも、カビごと食べられるチーズです。
青カビが出す毒素がチーズに含まれるアンモニアで分解されるので、無害となって風味だけが楽しめます。
それでもカビは(カビの出す毒素は)有害である
カマンベールチーズやブルーチーズなど、カビごと食べられるチーズでも、メーカーで作られて販売されるときには、殺菌されて熟成がそれ以上すすまないようにパック詰めされてお店に並びます。
購入して開封したら、雑菌が入ったり、他のカビが生えてこないうちに早めに食べ切るることが大事です。
これは食べられる? 納豆の白い結晶、手作り味噌の表面の白いもの
こちらはカビではなく、発酵による生産物です。
納豆は茹でた大豆に納豆菌を付けて発酵させて、糸を引かせたものです。
新鮮なものほど、表面が白く覆われています。
もちろん白い部分は食べられます。
味噌も酵母菌を使って茹でた大豆を発酵させて作ります。
カビは塩には弱いので、塩をたっぷり使った味噌には基本的に生えにくいです。
手作りで味噌を作ったりすると、表面が薄く白くなり、独特の香りがすることがあります。
これはカビではなくて産膜酵母というものなので、害はないです。
ほわほわとした白い綿状のものだったり、水がにじみ出てきて黒い斑点が出てきたりという場合は、カビなのでその部分を厚めに取り除いたら食べることができます。
納豆の場合、納豆菌が強い繁殖力を持っていて他の細菌を寄せつけないので、新鮮なうちは他の細菌の繁殖を抑えられるのですが、鮮度が落ちるとカビや悪い細菌も増えてくる可能性があります。
給食会社で働いていたむかし、「納豆で食中毒はないよ」と職場の人たちに言われたのですが、納豆を食べた後嘔吐と下痢で苦しんだ経験があるわたしとしては、「どんな食品でも、保存方法と食べたときの体調で、食中毒を引き起こす可能性がある」という座右の銘ができました。
チーズや味噌、納豆、酢、しょう油など発酵食品がどんな風に作られるのか、どんな状態で食べるのがおいしいのか、保存方法はどうすればいいのか、などを知ることは、おいしく食べるためにも、自分の身体を護るためにも必要なことだと思います。