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楽しい毎日と、あとちょっと食のお話

ろびんのお部屋です。管理栄養士なので、栄養関係の話を中心にして、仕事の話、家族の話、読んだ本の感想を書いていきます。

田舎で過ごした夏の記憶

今週のお題「となり街」

子どもの頃の夏休みというと、プールとかスイカとか花火とか、思い出はいろいろ浮かんできます。

物語や歌に出てくるような、都会から田舎へ出かけてひと夏を過ごす…

そんな体験は…と考えたら、ありました。

 

母方の祖母の親戚の家に、幼稚園のころに何日か泊まりで、2年続けて連れていってもらったことがあります。

そもそも母の実家のすぐ近くに住んでいたし、父の実家とはあまり行き来がなかったので、わたしにとって「田舎」というものは存在していませんでした。

 

夏休みに祖母と一緒に、たぶん電車で1つか2つ離れた町(村?)の農家に出かけるのが、4、5歳のわたしにとっては大冒険でした。

 

その「田舎」は広い土地に、母屋と他に2つ3つ家が建っていました。

家の周囲には畑と家畜小屋、たばこ畑と桑畑が広がっていて、わたしと祖母が泊めてもらったのは「蚕小屋」の2階の部屋です。

 

夏の空

蚕小屋

その家では「お蚕様」を飼っていて、何段もある蚕棚いっぱいに桑の葉を敷き詰めて育てていました。

蚕を育てて、繭を作らせ、それから生糸を作る、いわゆる養蚕農家だったようです。

 

蚕を見るのも初めてだったわたしは、ねだって1匹もらったのですが、餌の桑の葉を取りに行っている間に籠に入れておいた蚕に逃げられてしまったのが、とても残念な思いでです。

教訓、蚕の動きは早い!

もっとも、桑の木が近くにないわが家では飼えなかったでしょうけど。

 

夜はその蚕がいる上の階で寝ていたのですが、ざわざわ、しゃくしゃくと蚕がうごきまわって葉を食む音が、潮の満ち引きのようにずっと途切れずに聞こえていました。

 

不思議に安心して眠りについた気がします。

 

わたしにとって田舎の夏の思い出は、蚕の立てる音とともに、近くて遠い場所に存在しています。