今週のお題「まつり」
祭りというお題を見て、大学時代を過ごした仙台の七夕祭りが浮かんできました。
夏休みの暑い時期にする祭りは、アーケード街に大量の七夕飾りがぶら下がり、さとう宗幸さんの「青葉城恋歌」がエンドレスでガンガン流れる中、大勢の人たちが歩き回っているという印象です。
お盆のちょっと前(8月6日から8日まで)に開催されるので、わたしは混雑に巻き込まれる前にと七夕前に帰省していたことが多かったようです。
ただ、3年の夏休みだけは、帰省せずにその時期を仙台で過ごしました。
大学の授業で、管理栄養士の資格を取るための「校外実習」に夏休み中に行かなければなかったからです。
うちの大学では、郊外実習は小学校、保健所、病院、自衛隊の4つの分野から3つを選ぶのですが、その夏わたしが選んだのは「自衛隊」でした。
当時は仙台七夕のイベントには夕方からのパレードがあり、仙台駐屯地所属の自衛隊の方々もそのパレードに参加していました。
パレードの日、参加する隊員さんのために、普段の給食とは別に「七夕そうめん」を駐屯地の食堂で大量に作っていました。
初めて入った大量調理の厨房。
長靴を履いて、大きなゴム前掛けを付けて、大きな回転鍋の前に立ちます。
回転鍋で大量のお湯を沸かして、そうめんを投入して茹でます。
巨大熊手のようなもので、そうめんをかき混ぜ、回転窯の車輪のようなハンドルを回してお湯を捨てつつ、大きなプラスチックのざるでそうめんを受け止めます。
お湯を切ったざるに、ホースで大量の水をかけてそうめんを冷やします。
初めての経験ばかり、そして力仕事の連続でした。
面白かったのは、厨房でお手伝いをしているときに、そこの栄養士さんから
「野菜で傷んでいるものがあったら、捨てないで別に取り分けておいて」
と注意がありました。
言いつけ通りに腐りかけの玉ねぎやにんじん、じゃがいもなどをまとめておきました。
「これどうするんですか?」
「特殊訓練のときに持っていって、外で調理して食べるのよ
サバイバル訓練!」
自衛隊ならではのハードなお話でした。
いまでも仙台七夕の映像をみると、自衛隊実習のことが思い出されます。
残念ながら、2021年から七夕のパレードは廃止になったそうです。
あの七夕そうめん作りも、いまはなくなってしまったのかと思うとちょっと寂しい気がします。