食べることは生きることと日々思うわたしです。
お題について、しばし考えてみました。
塩おにぎりとか、白米から炊いたおかゆにしょっぱい梅干しとか、ご飯ものをできれば最後に食べたいです。
考えた末、ご飯ものの中でも第一位となったのが、「イクラ入り雑炊」です。
おかゆでも雑炊でも土鍋炊き派です。
子どもの頃は、母がひとりひとつの土鍋で、鍋焼きうどんや雑炊を作ってくれました。
その中でもかつお節でダシを取って、しょう油で味を付けたイクラ入り雑炊は大好きでした。
具として入れるものは、なると、三つ葉と、絶対欠かせないのが母の手作りの「イクラの醤油漬け」でした。
実家が岩手なので、三陸の新鮮な海産物はよく食卓に並べられていました。
イクラも皮に包まれた卵の塊の状態で買ってきて、家で漬けるのが当たり前です。
イクラを加えるのは、最後の最後です。
スプーンでたっぷり、漬け汁ごとすくって上からかけます。
アツアツのうちに全体をざっと混ぜると、いい具合にイクラに火が入って、生イクラと半熟イクラ、完全に火が通って白くなったイクラの3種類の味が楽しめます。
この話を友人や主人にしたら、
「許さない!」
「贅沢もの! 高価なイクラに火を通すなんて、とうてい許されることではありません!」
といわれました。
でも、おいしいんです。
火が通ってどろりとしたイクラも。
書いているうちにあの味が恋しくなってきました。
これがわたしにとってのおふくろの味、なのかもしれません。