朝晩は冷えますが、昼間は秋晴れの暖かな日になりました。
今日の庭のゴミ出し…
枝木 3束、枝葉ゴミ 90リットル 2袋
今日のおかずの一品
主人からは「サーモン詐欺」といわれました。
たしかに人参とサーモンの区別がつかない!
起
人間と人間の間には、言ってはいけないことばがたくさんあります。
「バカ」ということばは相手を傷つけるし、自分にもマイナスが返ってくるし、いいことはありません。
ここでは、この言葉を封印するために戦った夫婦の話を記そうと思います。
承
言うのもなんですが、主人はとても頭の回転が速いです。
わたしから見ると、何でも知っていて、物事の理屈を何でも教えてくれます。あまり聞きすぎると自分で考えろと言われますが、ヒントは教えてくれるので一所懸命考えます。
わたしは自慢じゃないですが、物事をゆっくり考える方です。急かされるとすぐに混乱してぜったいに間違ったことをしてしまいます。主人からみると、いろいろと思うところがあるようで、「バカじゃないの?」「1足す1は2に決まっているでしょ。どうしてわからないの?」
わたしはいつもグッサリと傷つきます。でも主人のいうことは正しいことが多いので、自分でも直したいと思います。だけどどうしてもうまく出来ません。主人が愛想をつかして黙ってしまうとつらいのです。主人もおしゃべりなので、黙っているのはつらいと思います。
転
独立した次男が帰ってきたときに、主人が彼にわたしの反応が鈍いことを愚痴ったんです。わたしは次男が私のことをかばってくれるのではないかと期待しました。
「まだそんなこと言ってるの?」
「だってどうしてもわからないんだよ。誰が考えてもわかるのに」
「おとうさん、もう少し考えたら?」
ここだ。ここでわたしをかばってくれるんだ! さすが我が子、いい子や…
「だっておかあさんなんだよ? おかあさんがそんなにうまく出来ると思ってるの?」
わたしは五体投地しました。主人もことばが継げません。
「え…」
「もう30年以上一緒にいるんでしょ。それぐらいわかりなよ。おかあさんには無理なんだよ。どうにかしたけりゃ、おとうさんがやり方を変えなきゃいけないでしょ?」
「お、おう」
「ちゃんとしなよ、二人とも」
何でしょう、この得体のしれない感情は。親を説得できるほど成長した次男に対する感動と、わたしがかなり否定的にとらえられていることに対する当惑と怒りに似た感情と、主人も言い負かされていることに対する同情に似た連帯感と。
主人は後で呟いていました。
「あいつ、すごいな… おれもがんばってみるわ」
結
「なんでそんなにバ…」
主人はハッとしてことばを止めました。
「これは言っちゃいけないのか」勝手に慌てて
「なんでそんなに頭がいいの?」
「何それ」
「ちがう… なんでそんなにかわいいの?」
「ぶふぉ」お茶が気管に入りました。
「ああ、これも違う」
「え?」
「あ。いや、それじゃなくて、かわいいのは合ってて、でも違って」
気管に大量のお茶を摂取して苦しんでいる私をよそに、慌てている主人。
「ええと、ああ! 話題を提供してくれてありがとう! 俺は喋るの大好きだから」
気管のお茶はなんとか除去しましたが、わたしの気持ちはともかく、一緒にいると飽きないのだけは確かです。