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楽しい毎日と、あとちょっと食のお話

ろびんのお部屋です。管理栄養士なので、栄養関係の話を中心にして、仕事の話、家族の話、読んだ本の感想を書いていきます。

ものすごくいいチャンス、コロナの余波を有効に使っちゃいましょう

お題「最近気になったニュース」

 

隻さんからコメントをいただきましたが、それがまさにわたしの言いたいことでした。

「せっかく子供に料理を体験させるなら、皿洗いとか段取りの仕方とか火や包丁の使い方とかを教えてあげればいいのに、と思っちゃいます。」

きょうはこのことについて深掘りしてみます。

学校がいきなり閉鎖されて 

今度のいきなりの「学校をいっせいに休みにします」というお話が、どれほど子どもを持った親にとって無体な要求かということがわかるくらいは、わたしも子どもを持って仕事をしていた立場なので痛いほどにわかります。

それでも子どもへの感染を防ぐための苦渋の決断なのかと思いきや、学童保育や預けられる施設を活用してくれとの続報に、呆れかえりました。

感染を防ぐためって、何だったのよ。

夏休みだってギリギリなのに、仕事を持った人が、一ヶ月突然に子どもの世話を24時間しなければならない状況に置かれるということの重大さをわからない人が指示を出している。

そのくせ、企業はそのまま活動を続けて、通勤電車の中でウィルスをもらってきて、家にいる子どもに感染させる未来が視えてきます。

ウィルス対策の初動に失敗して、発生地の中国より対応が悪いとして、各国で日本への渡航制限が出される事態になっている現状は、威張れる状況ではありません。

専門家を現場から追い出すような真似をせずに、見栄を捨てて真剣に取り組んでもらえないものかと思います。

ちょっと鼻息が荒くなってしまいましたが、きょうお伝えしたいのは別のこと。

今回の子どもの自宅待機命令は、もうどうしようもありません。だったら、この時間をちょっとでも前向きに使いましょうという提案です。

1時間でも、いつもより子どもといる時間ができたら

本当に対応に頭を悩ましている方が多いと思います。うまく預かってくれるところが見つかることをお祈りします。

それでも、いつもよりは子どもといる時間ができてしまうことはあるでしょう。

そうしたらその時に、子どもと一緒に料理をしてみるのはいかがでしょうか。外部から強制的に与えられた子どもに時間を使わなければならないこの事態は、自分の子どもに役に立つことに使わないと、腹の虫がおさまりません。

政府に文句を言っているより、よほど有意義で、未来に向けて役に立つ時間にすることができます。

そんなに面倒なことをやる必要はありません。料理の一連の流れの中で、一部分だけをやってもらうということでいいでしょう。

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チャーハンを炒める

どんな作業でも、子ども一人でやらせると危険なことが起こる可能性がありますので、子どもだけに時間を使えるこの事態を、またとないチャンスに変えてしまいましょう。

危ないことを危ないままに見送ることの問題

昔は鉛筆を削るために、学校にナイフを持ってくるのが普通でした。そのため、ほとんどの子どもは、ある程度成長すると安全な木の削り方を覚えていました。

刃物や火などの危険なものは、どのように扱うかを学ばないと、いざ扱わなければならない時が来た時に、大けがをすることになりかねないのです。

料理をする時は、包丁を使います。

包丁は肉を切るための道具ですから、鉛筆を削るナイフより、格段に危険です。

子どもクッキングをやっていると、はじめて包丁を持つという子も大勢来ます。子どもクッキングでも、そこで固まってしまう子が多いです。中には本当に包丁の刃の側を握ろうとする子供がいて、冷や汗をかくこともあります。

鉛筆を削るナイフでも、もちろんけがをしますが、深くまで切ってしまうことはあまりありません。

包丁の場合はそうはいきません。

子どもクッキングの時は、包丁がどう危ないかを教えて、包丁の持ち方、力の入れ方、切るものを抑えている指の位置などを、みんなに実際に持ってもらいながら指導します。

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エビを切る

同じ野菜を切るにもその大きさや形、切り方によって臨機応変に対応しないといけません。わたしはよく「指で切るものを転がしてみてごらん。一番動かないのはどんな置き方をした時かな?」と言って説明しています。

野菜のまな板に対しての設置面が一番広く、安定するように置けたら初めて包丁を握ってもらいます。

この段階では、わたしはいつも心臓が飛び出しそうなくらい緊張しながら、顔はやさしく余裕をもって指導しています。実際に子どもたちにどう見えているかはわかりませんが。

刃物というものがどういう性質を持っているのか、扱いを間違うとどういうことが起こるのかを知識としてだけでなく、身体感覚で理解していないと、何に注意しなければならないかということからわからないということです。

子どもにけがをさせろということではなく、本当に危険だということを理解してもらう必要があるということです。

火も同様です。その危険なところを理解しながら、その有効性を活かせるような能力を身につけておくと、たぶん一生有効です。

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小鍋で炒め物

 

最近は、「うちはIHコンロなので、この子はコンロの火をつけたことがありません」とおっしゃる父兄も少なくないです。子どもクッキングでは、ガス栓をひねって火が付くまでを、初コンロ火付けとして体験してもらいます。

マイナスをプラスに変える努力を

せっかく強制的に与えられてしまった機会を活かしましょう。

どうしようもなくて、時間が多めにとれてしまうなら、子どもに包丁や火を使ってもらって、生活の経験値を上げてもらいましょう。

いきなり包丁は難易度が高いですから、基本的な作業ならなんでもOKです。

  • 米を洗う …危険度小
  • 野菜を洗う …危険度小
  • ピーラーで皮をむく …実は少し危険。そばで指導しつつ
  • 調味料を揃えてもらう …できれば量を測るところまで
  • 煮物を見ていてもらう …やっていいことと悪いことを明確に
  • 包丁で野菜を切ってもらう …上級編。そばで指導しつつ。肉類は滑るので、包丁の扱いに慣れてから
  • 野菜を炒めてもらう …上級編。できたことをほめて
  • テーブルセッティングをする …完璧は目指さない
  • 洗い物をする …こわれものは少し覚悟して、ケガには気をつけて
  • 食器を片付ける …注意すべきことを指導しつつ 

など、など。

はたきがけや拭き掃除でもいいですし、洗濯もの干しや洗濯物たたみでもいいです。

おままごと感覚で、家事スキルをアップするきっかけにすれば、このイヤな期間を多少は楽しむことができると思います。

隻さん、コメントでのヒントをありがとうございました。

この災厄をこうむった皆さまが、少しでもプラスを感じられる機会を持てることを祈っております。

 

手が小さいうちは、子ども用の包丁を使う意味はありますが、刃先が丸めてあって切れ味が悪いものが多く、力が入ってけがをしてしまうケースもありますので、そこは注意してください。

 

 

 

家庭で使われている包丁でも、切れ味の悪いまま使っているケースが多いので、たまには研いだ方がいいです。簡易型でも結構切れ味がよくなります。研いだ後はかなり切る時の感じが変わりますので、慣れるまでは注意しましょう。