続きが読みたいシリーズもの、今回は高田大介さんの「図書館の魔女」です。
図書館の魔女
一の谷という国にある史上最古の図書館で暮らしているマツリカは、話すことができません。司書のハルカゼ、キリンの2人と手話で会話をすることで、意思疎通や指示をだすことができます。
マツリカは話すことこそできませんが、さまざまな書籍を読んで蓄えた知識と知恵で、ほかの誰にもできないことをやってのける力を持っており、「図書館の魔女」と呼ばれています。
そんなマツリカの身の回りの世話人ということで、キリヒトという少年が連れてこられるところから物語が始まります。
マツリカをサポートする司書は、マツリカの懐刀のハルカゼと、外交を得意として戦略家を目指しているキリンです。この二人と手話で話しながら、マツリカはさまざまな戦略を立てて実行していきます。
キリヒトも含めた全員が暮らす離れには、門番のカシムと、料理人のイラムを合わせた6人だけが暮らしています。
新しい図書館の仲間として、近衛兵のアキーム、アダン、イズミル、ヴィーシャールヘイ、オルハンが加わります。
キリヒトの秘密も明らかに。
刺客の「双子座」が差し向けられ、双子座の術中に陥ったマツリカは、手話で意思を伝えることに支障をきたしてしまいます。マツリカの呪いを解く可能性を求めて、マツリカはキリヒトと近衛兵たちと共に船で出発します。
マツリカと仲間たちの図書館を離れての旅が始まります。
4巻目は3巻の2倍くらいの厚さがあり、かなりのボリュームです。
初見のときは登場人物たちと別れるのが辛くて、残りのページが薄くなっていくのが切なかったです。
この先、どうなるんだと思っているうちに、続きのお話が上梓されました。
図書館の魔女 烏の伝言
このお話では、権力争いで崩壊しかかっている国の中で、登場人物がそれぞれの立場でがんばっている姿がいとおしいです。カラスの言葉を聴ける男やお姫様、親をなくした子どもたち。みんな自分のことより相手のことを考えています。
それぞれが自分の正義で行動しているので、みんなが幸せになれるように祈ってしまいます。
そんな中で、図書館の魔女で知っているキャラクターが出てきたときの安心感は異常でした。本当に頼りになってくれます。向こうを向いて笑いをこらえるハルカゼがとてもかわいいです。
「烏の伝言」は「図書館の魔女」の続編ですが、こちらだけ読んでも独立したおはなしなので十分楽しめます。
もちろん、「図書館の魔女」と合わせて読むのが絶対にお勧めです。合わせて読むと百倍は楽しむことができます。
どんどん動いていく国々の歴史、この先に出会ってほしい登場人物たち、知っている登場人物のこれからなどなど、この先の展開が楽しみでなりません。
マツリカが暮らすどんな本でもある高い塔の図書館は、本好きのあこがれです。これからどうなるのか、ワクワクしてしょうがありません。続きを心待ちにしているシリーズです。