NPO法人の活動で「子どもクッキング」の講師を月一回やらせていただいています。
対象は小学生の男女で、今は1年生から6年生までの子が7名受講してくれています。
子どもクッキングの講師を初めて担当したのは、もう13年ぐらい前です。
やり始めのころはレシピや資料を作るのにかなり苦労していました。
「食育」「飽きずに楽しめる講義」「楽しい紙芝居やクイズ」「目新しい企画や料理」など、理想を掲げて、頭をひねりながらチャレンジしていました。
それはそれでいい経験だったと思います。
ただ、ここ数年は肩の力が抜けてきたような気がします。
「食育」なんて大げさにいわなくてもいいんです。
食材に触って、洗って、切って、料理して、盛り付けて、食べて、片付けてという経験をしたら、何かしら子どもたちの中に残るものはあります。
包丁の使い方、卵の割り方、溶き方、洗い物のやり方など基本的なことは覚えてもらいますが、「何かを教える」というより「一緒に料理をする」が今のわたしの講習会のスタンスです。
子どもたちも一緒に料理しているうちに、学校でも習い事でも塾でもない場所で、変なおばさん先生のわたしに少しずつ違う自分を見せてくれます。
しっかり者のお姉ちゃんだと思っていた子が甘えてきたり、いつも皮肉っぽい一言を投げる子が、年下の子にはちゃんと褒めていて懐かれたり。
作ってもらう料理は「家に帰ってまたすぐ作れるもの」を取り上げるようにしています。お話を聞くとうれしいことに、けっこうまた家で作ってくれているようです。
親にも試食に参加してもらうのがこの会のルールなのですが、参加してくれている親からも「家の定番料理になりました」「子どもクッキングってこんな普通の(?)料理を作るとは思わなかった」などとうれしい言葉をいただいています。
子どもクッキングといっても、子どもだけに食育をするわけではなく、親子ともに食について関心を持っていただかないとこの場限りになってしまうので、父兄ともできるだけお話をすることを心掛けています。
ここはこちらにとっても、最新の給食や学校の情報を教えてもらういい機会にもなっています。
次回の子どもクッキングは8月31日という、ほかのサークルに追いやられた感満載の日程になっており、子どもたちの宿題の進み具合がよいことを祈らなければならない状況ですが、「意外に簡単、ぎょうざを皮から作ってみよう!」がメインの予定です。
一心に皮をのばす子どもたちの姿を思い浮かべてクスクス笑いながら、レシピを準備しているところです。