.headimg { background-image: url(http://f.hatena.ne.jp/AtoRobin/20180601212701) }

楽しい毎日と、あとちょっと食のお話

ろびんのお部屋です。管理栄養士なので、栄養関係の話を中心にして、仕事の話、家族の話、読んだ本の感想を書いていきます。

家の片づけについて思うこと

 12月も半ば過ぎ、冬らしい日が続いています。

今日は朝から雨が降っていて、暗い朝でした。

 

人間というものは不思議なもので、6畳一間に住んでいたらそこに入るだけのもので暮らし、4LDKの家に住めばそこに入るだけのものが溜まってしまいます。

人のうちを訪ねると、どこのお家も多かれ少なかれそんな傾向はあるようです。そんな中でも、うちはちょっと恥ずかしいほどものが多く、減らすための考え方の大転換を進めているところです。

この前、服を大量に減らしたお話をしましたよね⁉ 物を減らすことは進んでいるんです、たぶん! 

無駄なものを減らすという考え方

断捨離とかミニマリズムとか、家の片づけとか、生き方の見直しをするということをよく聞きます。考え方はとてもいいと思います。

人生に必要なものだけを残して、不要なものを失くしてしまえば、本当に必要なことに集中できるので、人生を豊かにできるということですね。その通りだと思います。

この考え方を取り入れる時に、いちばん大事なのは、本当に必要なものは何かという判断をすることです。

でも、これがなかなか難しい。

今使わないものはいらないもの? そんな乱暴な。

ときめくものだけ残しましょう? なんか、ぜんぶときめくんですけど。

さすがに修行されているお坊さんのように「起きて半畳、寝て1畳」の境地にたどりつくのは、煩悩いっぱいのわたしには不可能です。

さて、どうしましょう?

ライフサイクルを意識した片付け方

快適に住むためには、不要なものが探し物の邪魔をせず、必要なものがすぐに使えるようになっていて、暮らしのための空間が最大限になっていればよいのです。

本当に必要なものを決められて、十分な空間の中で暮らせているなら何の問題もないと思います。

でも、実際に暮らしていて、本当にそこまで絞り込むことが必要でしょうか。

まだまだ未開発の我が家では、必要なものを捜しまわることもしばしばありますが、それが致命的な問題にはなっていません。

もちろん、もっといろいろやるつもりではいますが、一気にミニマルにすることはないのではないでしょうか。 

ミニマルライフの落とし穴

ミニマルライフは、生活にかかわるものも含めて、すべて生きていく上で最小限にして、本当にやりたいことに集中するというコンセプトです。

これは悪くはない考え方かもしれませんが、いくつかの問題点が見え隠れしています。 

  • 他人の管理下のものを勝手に処分してしまう
  • 勢いがついて過剰に減らしてしまう
  • マニュアルに書いてあることをそのままやってしまう

決して忘れてはいけないのは、家庭にあるものは1人の人間のものではないということです。 

他人の管理下のものを勝手に処分してしまって、家庭崩壊につながるケースも少なくないようです。家族といえど、一人一人は独立した人格で、自分の浅はかな判断で他人のものを勝手に処分してよいはずがありません。

自分が処分できるのは、自分のものだけにしなければいけません。 

勢いがついて過剰に減らしてしまうことも問題になります。

生活していく上には、ある程度の余白や余裕がないと、息がつまってしまいます。

完全に必要なものしかない空間は、病院の病室のようなものなのです。 

マニュアルに書いてあることをそのままやってしまうと問題があるのは、あらゆることに共通することなので、深堀りはしません。花伝書とかを見ればわかりますよね。 

家を快適な容れ物にするために大事なこと

家はひとりの人のためではない場合があるわけで、その場合はその家をどうするかについて、以下のようなことを考える必要があるでしょう。 

  • 住んでいる人全員が納得すること
  • ライフプランに沿っていること
  • 無理がないこと

これをないがしろにすると、家自体の崩壊に簡単につながってしまうので、慎重に考えていかねばなりません。 

ミニマルライフよりスマートライフを目指しましょう

わたしもいろいろ考えながら進めているところなので、きれいな落としどころは捜索中です。これからもいろいろ考えていることをあわぶくのようにポカリポカリと出していきます。

俗世を捨てて修行のために生きているお坊さんならともかく、一般人がマスターするにはしんど過ぎます。 

ちょっとしたゼイ肉は、邪魔なように見えて、生活を潤してくれる要素もあるんです。

それともう一つ気になっていることがあります。

ミニマルライフは本当にやりたいことだけに力を費やすためにやるのが本来の目的のはずなんですが、実際にやっている人の家の紹介を見ると、暮らすためだけのものしかないように思えます。

その方の本当にやりたいことは、その家で実現されているのでしょうか。

そこがちょっと気になります。 

狭き門のアリサの日記の最後を読んでもらいたいものです。

 

狭き門(新潮文庫)

狭き門(新潮文庫)

 
狭き門 (新潮文庫)

狭き門 (新潮文庫)

  • 作者:ジッド
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1954/08/03
  • メディア: 文庫
 

 

こちらはお坊さんの修行の話なんですが、とても面白かったので、機会があったら読んで見てください。

食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫)

食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫)

  • 作者:野々村 馨
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/07/30
  • メディア: 文庫
 

花伝書はこれを読むとマニュアルの怖さがわかります。 

世阿弥 (新潮文庫 や 9-1)

世阿弥 (新潮文庫 や 9-1)

  • 作者:山崎 正和
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1974/12
  • メディア: 文庫
 
世阿彌(新潮文庫)

世阿彌(新潮文庫)

  • 作者:山崎 正和
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/06/17
  • メディア: Kindle