今週のお題「遠くへ行きたい」
ここしばらく、旅行どころか長距離ドライブにも行っていません。
でも外に出なくても本を開けば、まだ見たことのない風景をいくらでも見られます。
物語の中を旅することは、とても贅沢な時間の使い方だと思います。
読みたい物語がいくつもあります。
「竜馬がゆく」は家の本棚にあるのですが、いまだ読んでいません。
幕末はNHKの大河ドラマでもいろいろな人物が取り上げられていて、どれも興味深いのですが、竜馬視点のこの物語もいつか読みたいです。
「うしおととら」は24年前に完結している漫画なのですが、その当時から絶賛する方が多くて、気にはなっていました。
最近全巻大人買いして、あとは手を伸ばしてページを開くだけです。
「刑務所の中」は花輪和一さんが3年間の獄中生活を漫画にしたものです。
刑務所生活の事細かい日常が綴られています。
登場する受刑者たちの濃いキャラクターも印象深いですが、なにより強烈なのがムショの中の食事の描写です。
細かい献立と料理のスケッチ、感想がびっしり入っています。
「おれ 出たらさあ チョコレート、ようかん、最中、チョコバー、あんみつ、甘納豆、あずきあん…これだけの品をテーブルに用意して…ゆっくり一日かけて食うのが夢なんだ」
受刑者の甘いものへの渇望が何度も繰り返し語られます。
読んでいる間中、別世界へのトリップ感がすごかったです。
それと同時にこの感覚はどこかで…と思い当ったのがバイク運転中に遭った交通事故で過ごした3ヶ月の記憶です。
始めはベットの上で、それから車いす、松葉杖、それからリハビリと続いていく日々の中で、わたしも毎日の病院食を絵日記で記録していました。
1ヶ月が過ぎて、1ヶ月単位のサイクルメニューだと分かった時点でそれもやめてしまいました。
外の世界と切り離されたところで、坦々と日々が流れていく感覚は甘美なものでもあるので、とても怖いです。
余談ですがその3ヶ月の入院中に、当時交際中の今の主人が差し入れてくれた本が、トーマスマンの「魔の山」でした。
結核患者たちが療養所で過ごす日々を描いたこの小説、あまりにその時の自分の状況に嵌まり過ぎて忘れられない読書体験になりました。
今日のクレソン
朝夕、3mmぐらいの長さの黒や緑の虫を見つけて退治しています。
その甲斐あってちょっと元気を取り戻してきたようです。