.headimg { background-image: url(http://f.hatena.ne.jp/AtoRobin/20180601212701) }

楽しい毎日と、あとちょっと食のお話

ろびんのお部屋です。管理栄養士なので、栄養関係の話を中心にして、仕事の話、家族の話、読んだ本の感想を書いていきます。

料理は科学である -初心者こそ計量スプーンを使いましょう!

朝のTVで、男性の料理についての特集をしていました。

コロナの影響で、家にいる時間の増えたご主人に料理をしてもらう時のコツ、というような内容です。

その中で奥さん曰く「主人の味付けがおいしくない」

 

味付けがうまく出来ないというのは料理初心者あるあるなのですが、番組でも料理研究家の方が「調味料を計量スプーンで計量する」という解決策を提案していました。

 

www.atorobin.com

 わたしも以前のブログで、調味料を計量する大切さを書きました。

 

この計量スプーン、計量カップというのは、香川綾さんという女子栄養大学の創設者の方が考案されたものです。

これがあれば、レシピに共通の単位として表示ができ、誰が作っても同じ味付けが可能です。

考え違いをしている方が多いと思うので、声を大にして言っておきます。

計量スプーンは、料理初心者のためのアイテムです。料理初心者を助けてくれるために考案されたものなのです。

「調味パーセント」は調味料の重量÷材料重量×100で計算

それからこの香川綾さんが提唱していた「調味パーセント」という考え方があります。材料重量に対しての調味料の割合を計算で出していくわけです。

調味料はその種類で含む塩分量も糖分も変わってくるので、必要な塩分量、糖分量を使う調味料に変換して実際に料理に入れる分量を出すことができます。

例)豆腐とわかめの味噌汁を作る

味噌汁の塩分はだしの重量に対して、0.8%で考えます。

4人前で600mlのだし汁を使うとして、600ml×0.8%=4.8g塩分が必要となります。

4.8gは味噌に換算すると大さじ2と1/5なので、調味料として味噌だけ使う場合はそれだけ加えれば間違いのない味になります。

 

このように、味付けは数値化できるのです。

給食や社食などの大量調理ではこの計算が欠かせません。

(少なくても栄養士が献立を立てている場合はそうです)

大量調理の場合は、大鍋で煮たりすると水分の蒸発も大きいので、その分も考慮して計算します。

 

わたしは幼稚園の給食現場で働いた経験があるのですが、毎日大鍋で米を炊く作業に苦労したことがあります。

固すぎたり、柔らかすぎたりうまくいかないのです。

その時先輩栄養士さんに「吸水率」を計算する方法を教えていただきました。

毎日米を洗う前と洗ったあとの重量を比較するのです。

米は気温や収穫時期により、吸い込む水の分量が大きく変わります。

それに応じて最終的に加える水の量を調整するようにしたら、安定した炊き上がりのご飯が炊けるようになりました。

 

料理のコツとよく言いますが、そのコツも科学的に分析できます。

料理は科学であるということを理解していただければ、逆に料理に対するハードルが下がるでしょう。

計量スプーンは料理初心者の救世主

料理が問題なくできるベテランは、作り慣れた料理なら計量スプーンなど使わなくても、目分量で適正な量の調味料を使えます。それは慣れているからです。

料理が得意な人でも、初めて挑戦する料理の時は計量スプーンを使ってベースの味を覚えて、そこから自分の好みに向けて調整して、自分なりの分量をマスターします。

初心者が「計量スプーンなんて、そんなに料理をするわけでもないから必要ないよ」なんておこがましい。

滅多に料理をしない人こそ、計量スプーンを手に入れてください。

計量スプーンを使って料理をすれば、初心者でもそれなりの味に仕上がります。ここでうまく出来たことが、あなたの料理に対するモチベーションを上げてくれます。

最初はきちんと分量を守って、慣れてきたらアレンジして。これが料理のいちばん面白くて楽しいところです、

計量スプーンなんて500円くらいから買えるんです。これを買えば、レシピ通りのものが作れるんです。買わなくてどうしますか。

...少し興奮し過ぎました。

もう一度言います。

あなたが料理がうまく出来ないのなら、計量スプーンを手に入れてみてください。

面倒でもきちんと計って作れば、それなりの味の料理ができあがります。

計量スプーンは料理初心者のために作られたツールです。

計量スプーンを手に入れて、豊かな料理の世界へ踏み出してください。

 

計量スプーンを買う場合は、ちょっと高くてもステンレスにしてください。ステンレスなら放っておいても、次に使う時に使えないということがないので、その気になったチャンスを損なうことがありません。