今日は思い出の味というお題について書きます。
わたしは食事が人生の大重要ポイントの一つの人間ですので、忘れられない味の食事については、数時間にわたって語り続けられる自信があります。しかも数日に渡って「では次はデザート編で」「中華については」「蕎麦ならまずは」とテーマ別に網羅していきたいくらいです。
そんな中で、今でも時々思い出すことがあるのが、30年以上前に、スキーの帰りにふと見かけて入った中華のお店のバンバンジーと杏仁豆腐です。
水上のスキー場に行った帰り、7時くらいで、夕食をとっていなかったのでおなかが空いていました。
「あそこにレストランがあったはず!」
「閉まってる…」
「ファミレスでもいい!」
「ない」
「ソバ屋でもいい!」
「閉まりまくっておるわ…」
日曜日の夜でしたので、お店はどこも店仕舞い済みでした。
これは高速に乗ってから上里のレストランか? と思ったのですが、相方より緊急通告が。
「右手に中華料理店のカンバン発見! 電気が点いてるので営業中の可能性あり!」
「じゃあそこに」
行ってみようという間もなく、車はそちらに向かっていました。右の横道に入って、どうやら住宅街っぽい感じの中にありました。
こんな時間にこんなところでやっているお店? もしかしてとても高いお店かも、と思いました。
「どうする?」
「入るでしょ」知らない世界大好きの相方はもうドアを開けています。
中に入ると、中華料理? と思うくらいすっきりとした、カフェのような店内でした。明るい中に少し配置されている赤っぽい灯りが中華っぽいかな、という感じ。
メニューが来て見てみたら、お値段は高くもなく低くもない、納得感のあるお値段で一安心しましたが、なんちゃって中華ではない本格的な料理が並んでいます。
何品か頼んだのですが、どれもちゃんとした中華の味でした。その中でも、相方もわたしもこれはいいと思ったのが、棒棒鶏と杏仁豆腐でした。
すっかり満足してレストランを出て、冷え切った空気を思い切り吸って、家路についたのを覚えています。
棒棒鶏(バンバンジー)
細切りのきゅうりの山の上にのった、ボウルしてほぐした鶏肉。その上からかかったあまり辛くない甘目のタレの味が独特でした。
家に帰ってから、後日再現すべく何度もトライして、何とか満足のできるレベルになったものが我が家の定番料理になりました。
子どもクッキングでも何回か作ってもらっています。タレのベースは、最終的に合わせ味噌と砂糖をよく混ぜて、さらにそれにマヨネーズを加えたものがベストになっています。
杏仁豆腐
その杏仁豆腐はピンク色で青色のシロップがかけられていて、みかんやサクランボが添えてありました。
とても綺麗でその合わせ色にびっくり! 鮮やかなピンク色の柔らかめの杏仁豆腐はとてもおいしかったのです。
こちらの方はまだ再現できていません。できる気もしない…
なぜか見つけられないお店
もう一度食べに行きたいのですが、 あれから何回もそのあたりを通り、目を皿のようにして探しているのですが、見つけられていません。
30年以上もたつので、もうとっくに閉めてしまっているのかもしれませんが、行った翌年にも探したんですよね。
住んでいた東京でも、旅行の時に寄ったお店でも、二度とたどりつけないところが時々あります。確かにわたしはけっこう方向音痴なんですが、主人は方向感覚は確かなので、不思議でなりません。
わたしのふるさとの岩手では、マヨイガという案件があります。山の中で道に迷った時にたどりつくんですが、もう一度行こうとすると決して見つけられないお屋敷の伝承です。
それの一種なんじゃないかとうすうす思ってはいるのですが…